座右の銘
今日も曇りで寒い。
最高気温は19℃の予報。
私は午後出勤で夫も休み。
朝はゆっくり自然に目が覚めたが、
いつもの時間の5時だった。
私は高校を卒業するまで母とふたり暮らしだったから、
母の影響をすごく受けたと思う。
昭和元年に生まれた母は、
昭和の年号と共に年齢を重ねたが、
平成になってからは私は母の年齢がすぐに浮かばなくなった。
あの時代、
看護婦になるのに、
周囲からも女が職業を持つ事は反対されたようで、
母は夜中に家を抜けだし、
従軍看護婦の試験会場まで遠い距離を歩いて行ったそうだ。
子供の頃からそんな勇ましい話を聞かされていたので、
私も反対されても自分の道は自分で選んだ。
子供の頃、
どんな事柄か覚えていないが、
友達を羨んだ事があった。
母は子供の私に、
上を見ても切りがない。
下を見ても切りがない。
と私を突き放した。
私は納得した分けではないが、
母の後ろ姿に何を言っても無駄と感じた。
そのせいか、
おかげか、
私は競争心も、
向上心も無い人間になった気がする。
生まれ持った性格かも知れないが、
今となってはそれは幸せな事だった。
周りと比較しない。
いつも言われる、
あんただけは百まで生きる。と言われる言葉は、
いい意味に取ると、
周りを気にして無い事が知られているからだと思う。
悪く言えば、
自分の事しか考えていない事になるが・・・。
私にも人生の中で大変な事や辛い事がいっぱいあった。
私はいつも上を見ないで下を見た。
同じ境遇だけどあの人よりまだ恵まれている。とか、
こんなに辛いけどあの人の方がもっと大変そう。とか。
もっと下がいると思うと、
我慢もできた。
母のあの言葉が無かったら、
恵まれた他人と自分を比較して不幸になっていたかも知れない。
亡くなって1年が経とうとしてるけど、
たった18年間しか暮らしてないけど、
最近何かと母の記憶が甦る。
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